職業能力開発協会のシンボルマーク
能力開発
技能評価
イベント
協会案内

リンク

お問い合わせ(メール作成ウィンドウが開きます)
 
 
 
〒791-1101
愛媛県松山市
久米窪田町487-2
愛媛県産業技術研究所
管理棟2F
TEL:089-993-7301
FAX:089-993-7302

info-enk@ehime-noukai.or.jp
愛媛県職業能力開発協会 最初のページに戻ります

熟練技能者から若者達へ
 県内の熟練技能者とものづくり現場の紹介

熟練技能者の紹介  熟練技能者が活躍する現場とは
● 取材編 〜熟練技能者は熱く語る〜 ● ものづくり工場の紹介
● 紹介編 〜熟練技能者の紹介〜  
熟練技能者の技能継承への取り組み  
●若者達に技能を継承する  


  

愛媛県立八幡浜工業高等学校


住所 愛媛県八幡浜市古町2丁目3番1号

電話 0894-22-2515

URL http://yawatahama-th.esnet.ed.jp/

 


技能継承の取り組み

今回は、愛媛県立八幡浜工業高等学校を代表して機械科の寺田敏樹先生と、この春卒業した新拓也君にお話を伺いました。
同校では、平成16年度からの技能検定受検資格の緩和に伴い、機械検査や普通旋盤作業、機械系保全作業の技能士資格の取得に取り組んでいます。
平成21年度には県内高校生としては初めて、新君が3級及び2級機械系保全作業技能検定に見事合格し、3級機械系保全作業技能検定で、優秀な成績を修めたことから、県知事表彰を受賞しました。
また、新君の場合、毎日実家のある大洲市から約1時間以上かけて登校しており、放課後は比較的早く電車に乗らなければならないため、学校での勉強時間は限られている中、寺田先生を中心に土日を利用して実習時間をつくるなど教員が生徒をサポートする体制を整え、また、寺田先生自身も技能士資格取得に挑戦するなど、教員と生徒が一体となって取り組んできました。

新君
「高校に入学した際、ジュニアマイスター顕彰制度(注1)を知りました。その制度を通じて、色々な技術や知識を学びたいと思ったのがひとつのきっかけです。特に旋盤では、技術を磨いていくと次第に寸法通りに加工することができるなど、自分の技術力が向上していることが実感できることが楽しいです。また、ビデオで技能五輪全国大会の様子を見て、全国には凄い技術を持った年齢の近い技術者がいることを知ったことや、その技術力を見ることにより、モチベーションが得られました。また、先生方がものづくりの大切さや面白さをわかりやすく教えてくれたことや、資格取得のため先生方も私たち生徒と一緒になって学び、教えてくれたことが本当に嬉しく思いました。」

寺田先生
「我々教員としましては、まず学校で積極的に学ぶことや資格取得を目指すという前向きな気持ちでスタートラインに立ってもらうために、対話を重視した人間教育と学習環境づくりに力を入れてきました。そして、将来ものづくりを支える人材になることを見据え、基本的な知識を身につけるとともに、企業ニーズに合うよう専門性の高い実技を伴う技能士資格の取得や、関連する資格取得にチャレンジしてもらっています。また、気持ちの上でも、資格を取得することにより生徒に自信が生まれ、学ぶ意欲も向上します。そして、技術的にも我々教員自身も技術レベルを向上させることに取り組んできました。この資格取得を通じて学んだ知識や技術をきっかけとし、今後生徒が社会に出てから、さらに高度な技術や知識を身につけてほしいです。」

(写真上:機械科寺田先生と新君、写真中:技術を磨いた思い出の旋盤機、写真下:「技術や知識が身についたのも先生方のおかげです。」と新君が語るように、教員と生徒が一体となって取り組んでいます。)

(注1)ジュニアマイスター顕彰制度とは、社団法人全国工業高等学校校長会によって、社会が求める専門的な資格・知識を持つ生徒の輩出を目的とし、社会及び大学や企業に向けた工業高校の評価向上を目指して設立された制度です。例えば、2級技能士資格は20点、3級技能士資格は12点の得点を定め、30点以上を『ジュニアマイスターシルバー』、さらに45点以上の特に優れた生徒には『ジュニアマイスターゴールド』の称号を贈っています。新君は、技能士資格以外の資格も取得し、合計90点以上の得点で、ジュニアマイスターゴールドとして表彰されました。


高度熟練技能者から高校生、教員へ

入江工研株式会社の高度熟練技能者である宮内修次さんが平成16年から同校でものづくり教室の講師を務め、生徒と教員に旋盤技術指導を行い、同校技能士の誕生に大きく貢献しました。
寺田先生も見事1級普通旋盤作業の技能士資格を取得するなど、その技術と経験を活かして、同校生徒に旋盤技術を指導し、生徒の技術力の向上や技能の継承に取り組んでいます。
また、入江工研株式会社で職場体験実習を行い、ものづくりの現場で活躍する技術者と触れ合うことや、最新の機械設備を使うことを通じて、生徒達がさらに意欲的にものづくりに取り組める環境づくりにも積極的に取り組んでいます。

新君は、この春無事卒業し、大手鉄道会社に就職しました。

今後の抱負を聞かせてください。

「習得した技術と知識を生かし、上司や先輩方と積極的にコミュニケーションを取りながら、まずはどんな仕事でもこなせるようになり、将来的には様々な機械設備を使いこなせるよう今後も技術を身につけ、知識を広げて行きたいたいです。」


寺田先生
「宮内さんから旋盤の技術的なことだけでなく、その楽しさを学びました。その学んだことを生徒達に伝えていければとの思いです。現代の子供達は、便利なものに溢れた時代を過ごしているため、もののありがたさが分からないまま育っているのかも知れません。今後も教育の現場として、生徒がものづくりの楽しさや素晴らしさを実感でき、将来ものづくりを支える人材を育成できるように、生徒と一体となって取り組んでいきたいと考えています。」

(写真:平成19年 ものづくり教室 実技指導風景)


表1 県立八幡浜工業高等学校の技能検定合格者数について

職種名 作業 年度 合格者数
機械加工 普通旋盤作業 平成16年度 3級 5
平成17年度 2級 1
3級 5
平成18年度 2級 1
3級 6
平成19年度 2級 3
3級 9
平成20年度 2級 1
3級 9
平成21年度 2級 2
3級 11
合計 53
機械検査 機械検査作業 平成16年度 3級 4
平成17年度 2級 1
3級 9
平成18年度 2級 2
3級 13
平成19年度 2級 2
3級 10
平成20年度 2級 1
3級 15
平成21年度 2級 0
3級 17
合計 74
機械保全 機械系保全作業 平成21年 2級 1
3級 1
合計 2
総計 129


表2 県立八幡浜工業高等学校の生徒の技能検定優秀賞受賞歴について

 (※掲載している人数は、平成16年度から平成21年度前期までの人数です。)

受賞年度 知事賞 協会長賞 技能士会長賞
平成16年度 2
2 2
平成17年度 1
1 1
平成18年度 1
1 3
平成19年度 1
2 3
平成20年度 0
0 1
平成21年度 2 2 0
合計 7 8 10

(技能検定優秀賞は、技能検定実技試験の成績順位により与えられる賞です。知事賞は成績が特に優秀で当該職種(作業)に対して概ね1名、協会長賞及び技能士会長賞はそれに準じます。) 


>> 最初に戻る

>> 熟練技能者から若者たちへ
ホームへ能力開発技能評価イベント協会案内リンクお問い合わせ